概要
汎用流体解析ソフトAcuSolveを利用して撹拌解析を実施し、ブレード設置角による撹拌効率への影響について調査した。
図1-1に示す撹拌容器内に4枚羽の撹拌機を配置し、一定の角速度で回転した。流体の下半分を着色し、ブレードの設置角30度と70度の場合で、撹拌効率の変化を調査した。
●解析結果
中心断面における流速と着色部の混ざり具合を示す。
図2-1 設置角30度の中心断面の
流速の大きさとベクトル図
図2-2 設置角70度の中心断面の
流速の大きさとベクトル図
図2-3 設置角30度の中心断面の
着色部の広がり
図2-4 設置角70度の中心断面の
着色部の広がり
撹拌効率の指標
流速や着色部の広がりを直接確認しただけでは、定量的な撹拌効率の比較は難しい。そこで、撹拌効率を示す指標を定義し、ブレード30度と70度の撹拌効率を比較した。
撹拌効率指標は、各メッシュの濃度と、完全に混ざりあった状態の濃度との差を積算した値で、0に近いほど、器全体で拡散が進んでいる事を示す。このため、短時間で指標が0.0に近づく撹拌機ほど、撹拌効率が優れていると見なせる。
図3-1 設置角30度の中心断面の
撹拌効率指標
図3-2 設置角70度の中心断面の
撹拌効率指標
本解析条件では、ブレード設置角70度の方が、撹拌効率が優れていると結論付けられる。