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INTEGRATED電磁界ソフトウェア

設計者向けWindows版の電磁界シミュレーションソフトウェア

INTGRATED電磁界ソフトウェア

棒磁石のベンチマーク

磁場のシミュレーションソフトウェアを評価する場合、比較をするために何かのベンチマークが必要になります。そのベンチマークには、貴社の製品で、貴社で測定されたいくつかのデータがあるべきです。しかしながら、使用したベンチマークがそれだけでは、間違う可能性があります。例えば、”その測定に誤差はどれくらいあるか?”、”シミュレーションで使用したものは、実際の材料の透磁率にどれくらい近いか?”、”切断によって、この材料の透磁率が局所的に変化したか?”、”着磁の過程で磁石ボリューム中に、本当に一方向の一様な磁化が生成できたか?”... などの疑問が湧いてきます。そのような疑問が残っている限り、測定値に対して ”良い”結果を与えるということで、良くないソフトウェアを選択する可能性があります。

 

実際の測定されたデバイスを正しく表現しないモデルで、プログラムが最も近い解を与える場合は、恐らく最も良くないプログラムが一般的に使用されることになります。そのため評価の一部は、厳密解が既知であるいくつかの理想的な問題になる必要があります。十分に困難な理想問題で、評価されるいくつかのソフトウェア間の違いを示すようになるという仕組みです。

 

このページではこのようなケースのひとつ、一定磁化(dB/dH=1)の棒磁石について議論します。それだけでは、これは困難なものではないが、任意の複雑なアセンブリを作ることができ、なおその解がどのようになるのか、わかるというものです。一定磁化とした理由は、それらのコンポーネントがお互いに影響しないからです。個々の部品の重ね合わせで、厳密なBフィールドをどこでも求めることができます。個々の部品のBフィールドを求めるには、棒磁石の電卓(Bar Magnet Calculator)を使用してください。
(注)dB/dH=1 はBとHの単位に[G]と[Oe]を使用したときです。[T]と[A/m]を使用するとdB/dH=4×PI×10-7となります。
PIは円周率。

1) 簡単なケース

棒磁石の電卓では既に、大きさ1x1x2(単位は無次元)の棒磁石で、Br=1, dB/dH=1のZ方向に磁化されたものについて、検討しました。プログラムAMPERESを、2.4 GHz PCと デフォルト設定を使用し計算すると、その問題は約2秒で解けます。点 (0.5, 0.5, 3)のフィールド値は0.055490202Tと計算されます。この点で、電卓の答えはB=0.055490199Tとなる。その違いは小数点第9桁で3以下になります。


2) さらに困難なケース

困難なテストケースに対して、ケース1の棒磁石に、壁厚0.01を持つ穴を開けます。これは数値的な解を求めるために、もっと詳細な要素メッシュを必要とします。棒磁石の電卓 と、重ね合わせの原理を使用すると、その問題は固体の棒磁石と、反対方向の少し小さい棒磁石として考えることができます。

例題の、1x1x2の磁石に対して、位置(1.5, 0.25, 1.1)で、電卓の値は次のようになる:
    Bx = 0.007349536
    By = -0.0017715728
    Bz = -0.054933985

 

(注意、誤差評価のために要素数を増やすという、電卓のページで解説した方法が必要となる)

穴の部分は、0.98x0.98x2の棒磁石を位置(1.49, 0.24, 1.1)でモデル化します。すなわち、xとyで 0.01の調整は、電卓が原点になるように、これだけ磁石を動かすためです。 その結果は:
    Bx = 0.007082734
    By = -0.0017114623
    Bz = -0.054933985

 

穴の磁石を差し引くと、
    Bx = 0.007349536 - 0.007082734 = 0.000266802
    By = -0.0017715728 - -0.0017114623 = 0.0000601105
    Bz = -0.054933985 - -0.052725620 = -0.002208365

 

AMPERESの結果:

電卓 と同様に、磁場のシミュレーションプログラムは様々な精度基準を与えることができます。 シミュレーションの精度を上げると、もっと計算時間はかかるようになります。ここに、AMPERESを使用し、計算に (2.4 GHz PCで)14分かかった結果です:
    Bx = 0.00026680298
    By = 0.00006010611
    Bz = -0.002208356

 

この精度設定とこの位置で、AMPERESは少数点6又は7の位まで一致する。同じ解を用いて他の比較をするために、磁石から遠く離れた位置(50, 17, 23)で計算します。この場合は、次のようになる:

電卓の結果:
    Bx = 3.53569E-8
    By = -1.17856E-8
    Bz = 1.89949E-8

 

AMPERESの結果(上と同じ14分の解を使って):
    Bx = 3.5356886E-8
    By = 1.1785628E-8
    Bz = -1.8994816E-8

 

再び、遠く離れても、2つの解は小数点6又は7の位まで一致します。実際、積分方程式を使用する利点のひとつは、人工的な境界で、ある領域を閉じ込めないことにあります。

まとめ

永久磁石を含む問題をモデル化するとき、特にそれらがdB/dHが1の近くで動作するとき、棒磁石の電卓を使用し、関心のある問題と同じような問題に対して、いくつかの理想的なベンチマークを作成すること ができます。

※開発元:Integrated Engineering Software
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