■ 取得データを用いた解析実例
樹脂材料では引張速度により、その特性が異なります。これをひずみ速度依存性といいますが一般的には引張速度が高くなれば(ひずみ速度が速くなれば)材料は硬くなります。右の図において、左側の図はひずみ速度依存性が考慮されていない解析例です。右側はひずみ速度依存性を考慮した解析例です。つぶれ具合の違いがはっきり現れています。ひずみ速度依存性を考慮した解析では変形体(樹脂材料)が硬くなりそれに伴った反力の上昇が見れます。
このような効果は樹脂製品の落下・衝撃解析には考慮すべき特性です。樹脂製品の落下・衝撃解析をおこなう際にはぜひご相談ください。
「速度依存性」を考慮した解析事例 1 (リブ付きパネルとダミーヘッドの衝突)
「リブ付きパネルとダミーヘッドの衝突」ではダミーヘッドの表皮はゴム材料でモデル化し、リブ付きパネル(ピラー)を樹脂材料でモデル化、その強度評価をします。この場合など「ひずみ速度依存性」特性考慮の有無で結果が変わってきます。リブに発生する応力や変形量が「ひずみ速度依存性」特性で変わるわけです。プラスチック製品の落下・衝撃解析をおこなった場合と落下試験をおこなった値が合わない。特に解析の方が大きくひしゃげる様な場合にはこの特性の効果を疑うことも必要かもしれません。
「速度依存性」を考慮した解析事例 2 (携帯電話の落下)
「携帯機器の落下解析」ではこの効果がもっとも顕著に現れます。携帯電話やデジタルカメラ、ハンディターミナル、ノートPCなどの筐体は樹脂製品です。こ の部分の合成が不適切である場合、この筐体を通して入力する応力の伝播も適切なものではありません。ということは本来一番核にしたい落下時の携帯機器内応 力状態の様子は依然分からないままという事なのです。材料物性値を性格に、状況に応じて「ひずみ速度依存性」間でも考慮すべきか否かは重要な選択ポイント となるのです。
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