衝撃による構造挙動の考え方
- 1. 吸収エネルギーから考える衝突力
- 2. 剛体の運動方程式
- 3. 応力波の伝播を考えた衝撃力
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1. 吸収エネルギーから考える衝突力
図1.1に示すような最も単純な衝突問題を考えてみましょう。
一端を固定された長さL、断面積Aの弾性棒のもう一方の端面に、質量Mの剛体が速度 で衝突する場合を考えます。
【図1.1 剛体と棒の衝突】
剛体の持っている初期の運動エネルギーが、衝突によって棒の歪エネルギーに全て変換されるとします。衝突によって棒の長さが⊿Lだけ圧縮されたとしますと、力学的エネルギーの保存式は以下のようになります。
- (1)
従って、棒に生じる歪 は、圧縮を負とすれば、
- (2)
となります。この時、棒に発生する応力は、フックの法則より次式で表わされます。
- (3)
ここで求めた歪と応力は、剛体の運動エネルギーを棒の歪エネルギーとして完全に吸収したときに発生するものですから、衝突の瞬間ではなく、剛体が棒に衝突した後、棒の圧縮変形が最大になったときに発生するものです。
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